注意:このコーナーは『一夜怪談・本編』とはあんまり関係ありません。
第2回:適材適所
浅葱:「さて…用意してきた?強いココロ」
萩間:「はい!ばっちりです!どんとこい!」
浅葱:「じゃ、どんといこうか。
面白かったけど、短すぎる、っていうのが、おおかたの意見だね」
萩間:「はいっ」
浅葱:「歪みの国のアリスよりも意見が分かれた感じがあるよね。
面白かったという人もいれば、正直つまらなかったという人もいる」
萩間:「ふんふん」
浅葱:「怖さについても同様に意見が割れた。
アリスより怖かったっていう人も結構いる。でも、全然怖くなかったっていう人も結構いる」
萩間:「ふーん、オレ、怖かったけどなー」
浅葱:「えーと、怖くなかった理由として……『主人公の反応が興ざめ』」
萩間:「え!!」
浅葱:「『むしろ爆笑した』」
萩間:「…………」
浅葱:「『面白かったけど、ホラーとしては失敗』……強いココロは健在?」
萩間:「浅葱さんっ、オレ、真面目にっ、すっげー真面目にやってましたよ!?信じてえっ!!」
浅葱:「まあ、僕はオマエの(変な)反応にもう慣れてるから…ああ、『ホラーには不向きな性格』とも言われてる」
萩間:「オレだってホラーの主人公なんかやですよォッ!!」
浅葱:「まあ、『怖かったけど、主人公の反応に救われました』って人もいたから…」
萩間:「オレはあなたのその言葉に救われてますー!」
浅葱:「今回の隠れテーマはお化け屋敷なんだよ」
萩間:「? お化け屋敷?」
浅葱:「お化け屋敷って基本的には、ばあっ、て脅かすだろ?で、きゃあ、って驚く。そんな感じ」
萩間:「ああ、確かに…」
浅葱:「しっとり情念系ホラーが好きな人には不評だろうとは思ってたけど、これもひとつのホラーの形ということで…」
萩間:「オレは、しっとりもびっくりも、どっちもイヤだ!ホラーに向いてないっていうのは賛成ー!」
浅葱:「…そう?僕は、萩間がホラーに向いてないとは思わないんだけどね。むしろ向いてると思う」
萩間:「どこが!?」
浅葱:「だって短慮で怖がりな主人公なんて最適じゃん。話の展開が早くていい」
萩間:「ああ、失礼なっ。オレはオレなりに冷静な分析のもと行動を!」
浅葱:「褒めてるんだよ、主人公気質を。
だって僕が主人公だったらどういう話になってたと思う?」
萩間:「…………」
浅葱:「…………」
萩間:「…どういう話にもなりませんね?」
浅葱:「たぶんね。次の日、会社あるし」
萩間:「あのー、そういう理由で心霊現象を無視するのはどうかと…」
浅葱:「会社が心霊現象で遅刻を認めてくれるんならいいけど。
そもそも、あの世の人だろうとこの世の人だろうと、自分に関係ない相手に夜通し付き合ってやる気はないね」
萩間:「…オレは、浅葱さんのそういうとこ、尊敬してます…」
浅葱:「というわけで、これからもホラー、頑張りなさいね」
萩間:「…………」
第3回へ続く…。