注意:このコーナーは『一夜怪談・本編』とはあんまり関係ありません。
第6回:それる話題 忘れられた男
浅葱:「じゃあ、今回は予告通り、野々宮について――」
萩間:「浅葱さーん、オレ、前回から気になってたんですけどー。なんで野々宮なんですか?野々宮、名前しか出てきてないじゃないですか」
浅葱:「やたら多かったんだよ、野々宮についての質問が。出てきてないから余計、気になるのかもね。それじゃ――」
萩間:「でも野々宮よか、浅葱さんを紹介したほうがよくないですか?」
浅葱:「なんで」
萩間:「だって一番人気ですもん」
浅葱:「今更だろ。それに別に語るようなエピソードもないし。そういうわけで――」
萩間:「いいんです、いいんです。ファンは普通のことだって知りたいのです。はぶらしが何色とかー」
浅葱:「…そんなもの知ってどうするの」
萩間:「うーん?…おそろいにしてみるとか?」
浅葱:「気持ち悪い」
萩間:「ああ、冷たい!…そういや、浅葱さんは初めて会ったときからクールビューティーでしたねえ…」
浅葱:「誰がビューティーか」
萩間:「でもそこがいいとこなんですよ。冷たく見えて、実は菩薩さまのように優しいとこがー」
浅葱:「…………。
…前から思ってたんだけど、萩間は僕を無駄に美化する傾向があるよね」
萩間:「え?そうですか?…そんなことないと思うけどなあ…。ま、オレは隠れファンですけどね!浅葱さんの!」
浅葱:「だからなんで『ファン』なんだよ…。確か、出会ってすぐにもそんなこと言ってなかった?僕は何をどう間違って気に入られたわけ?」
萩間:「うーん…?何でしょうね?何となーく…。
…あ、ほら、迷子になると、とりあえず、周りを見るじゃないですか」
浅葱:「?」
萩間:「で、背筋を伸ばして歩いている人がいたら、とりあえずその人についていくでしょ?」
浅葱:「いかない」
萩間:「えー!ついていくんですよ!そうすると、だいたい正しい道に出るんです!
…そんな感じ?」
浅葱:「…僕はときどき萩間に、心から感心させられることがある」
萩間:「えっ、やだな、何言ってんですか、普通ですよ、こんなのー。
浅葱さんも今度迷子になったら試してみてくださいね!」
浅葱:「(それを本気で勧めるあたりが)本当にすごいなあ」
第7回へ続く…。