一夜怪談コラム タイトル画像

注意:このコーナーは『一夜怪談・本編』とはあんまり関係ありません。

第8回:会いにゆきます
萩間:「さー、野々宮も紹介したし!」

浅葱:「…したっけ?」

萩間:「やですよ、前回したじゃないですか」

浅葱:「あれでいいのかね…」

萩間:「いいんです、いいんですー。というわけで、残すはさとみちゃんですね!」

浅葱:「幽霊にちゃんづけしない」

萩間:「幽霊だってかわいい女の子じゃないですか」

浅葱:「かわいいかどうかなんてわかんないだろ。ちゃんと顔見てないじゃん。透け気味だったし」

萩間:「女の子はみんなかわいくないですか?」

浅葱:「…………。軟派な意味でなく、本気でそう思えてるオマエが、ある意味怖い」

萩間:「まあ、今回はあの幽霊でしたから、ちょっといろいろアレでしたけど、きっと生前は普通のかわいい女の子だったと思うんですよね」

浅葱:「普通のかわいい女の子は、髪の毛入りの人形を送ってきたりしないと思うけど」

萩間:「あれは、感情の表現の仕方がわかんなかっただけですって。
たまたまああいうことになっちゃっただけで…さとみちゃんはいい子ですよ」


浅葱:「…………」

萩間:「? なんですか」

浅葱:「…『先生』がオマエだったら、彼女は死ななくてすんだのかもね」

萩間:「どっ…どうしたんですか、突然!!そんな真面目な顔で言われたら照れるじゃないですかっ!! やだなっ、そんなの、わかんないですよォ!オレじゃだめかもだしっ、あははっ」

浅葱:「ああ、そうだね。実際、フラれてたっけね、オマエ」

萩間:「!!」

浅葱:「死を覚悟したのに、あなたじゃない、とは、シビアだねえ」

萩間:「知りません、フラれてません、そんなルート通ってません」
(*ルートによってはこの状況は起こりません)

浅葱:「あの瞬間は本気だったのにねー…ってコラ!耳をふさぐな!」

萩間:「浅葱さんはモテるからわかんないんですよォ!!
ああいうフラれ方ってきついんですよ!?オレ、用無しみたいな!?」


浅葱:「良かったじゃん、用無しで。用があったら今頃オマエは墓の中だ」

萩間:「そりゃそうですけどっ、それとこれとは別問題なんですっ」

浅葱:「あのね、萩間。お人好しもいいけどね、幽霊でも人間でも、あんまり気軽に付いていくんじゃないよ。 今回の件は、少し反省したほうがいい」

萩間:「浅葱さん…心配してくれてるんですね!」

浅葱:「当たり前だろ?もしオマエが死んだら…」

萩間:「お!ちょっと寂しいですか?」

浅葱:「のーてんきな幽霊が毎夜現れそうで、考えただけで鬱陶しい」

萩間:「…………。ぜえーったい現れてやる!!
毎晩どころか、朝昼晩、食事ごとに現れてやる――!!」


浅葱:「本当に嫌だ…」