迷ヒ家ノ鬼 タイトル画像

注意:このコーナーは『迷ヒ家ノ鬼・本編』とはあんまり関係ありません。

第8回:一番分かっていたようで、実は何も分かっていなかった人
香住:
「…心配ねーって、遠島」

「頭の良さって成績の良さとは違うっていうし」

「オマエの良さは成績とかじゃはかれねーし(たぶん)」

遠島:
「何も言ってないのに、なんで慰める?」

香住:
「イヤ、その点数はやばいって!まずいって!」

「オマエ、もっとちゃんと落ち込んだ方がいいって!!」

遠島:
「しかたないだろ!だってよくわからないんだ!」

「数学って…………」

「…いったい、どういうことなんだろうな?」

香住:
「その疑問自体、どういうことなんだろう、だよ…」

遠島:
「…………」

香住:
「あっ、ちょっとやめて。今、魂抜けるのはやめて」

「今はコラムの最中っ。ほら戻って戻って!」

遠島:
「!…香住が悪いんだろ!急にテストの話なんかするから!」

香住:
「わかった、わかった。悪かったよ。ほら、コラムやろう」

遠島:
「むう」

香住:
「えっとー…ま、大体オレと遠島の紹介は終わった、よな?」

「なら、ほかの登場人物っていうと…ユエと、男たちか」

「うーん、このあたりはネタバレを予告してるとは言え、話の本筋に関わってくるからあんまり突っ込めないんだよなァ…」

遠島:
「あたりさわりなくいくのだ」

香住:
「だな。えっと、クロスケたちは…」

遠島:
「クロスケ?」

香住:
「ああ、そうだ。5人の男たちはクロスケって呼ばれてます」

「殺される順番に、イチスケ、ニスケ、サンスケ、ヨンスケ、ゴスケ、で、まとめて、クロスケズ」

「…言っとくけど、これ、別にやつらの本名じゃないからな?」

「クロスケズの名前を呼ぶ必要に迫られたときは、テキトーに好きな名前で呼んでやってください」

「クロスケたちは今回、ストーリー上、悪役に回ってもらったけど…」

「彼らにも差し迫った事情があったわけで、本当は根っからの悪人ってわけじゃないんだよな」

「もうちょいそのあたりも差し込みたかったみたいだけど、短編だとどうしてもそこまでは、なあ」

遠島:
「ばかなこと言うな」

「差し迫ったからって他人の食べ物を奪ってもいいっていうのか」

香住:
「いや、そうじゃねーけど」

「でも、行為は許せなくてもそこに至った経緯には少し共感できるっていうのはあるだろ…」

遠島:
「共感できたってダメだ!殺して食い物を奪うなんて…!」

「共感って言うなら、私は断然、斧娘に共感だ!」

香住:
「まあ、それはそうだけどさ」

遠島:
「私は斧娘の気持ちがよく分かる!」

「大事に取っておいたご飯を奪われたりしたら、私だってミナゴロシだ!!」

香住:
「…イヤ、ユエは食料を奪われたから復讐したわけじゃないと思うぞ?」

遠島:
「え」

「…………」

香住:
「…………」

遠島:
「ち…違うのか?」

香住:
「もっぺん、BEST ENDルート、やりなおしてこい!」