注意:このコーナーは『オズの国の歩き方・本編』とはあんまり関係ありません。
第10回:抑えられない、このときめき
オズ:
「まあ、そんなわけで、どうやらクロウが断トツ人気じゃないかっていう予想なんだけど」
「…で、実際のところ、どうよ?」
ドロシー:
「どうよって何が?」
オズ:
「これだけキャラがいるんだし、誰か気になった男とか、いないの? ときめいちゃったりとか」
ドロシー:
「…私は別に、体の一部が離脱したからってときめいたりはしないわよ? うわあって思うだけで」
オズ:
「いや、離脱に対しての質問じゃなくて」
ドロシー:
「そう言われても…うーん…」
オズ:
「もしも結婚するなら誰、とかでいいから」
ドロシー:
「ええ? 結婚? うーん…結婚?…結婚…結婚…するなら………………」
「モーナだな!」
モーナ:
「わ、私ですか?」
ドロシー:
「うん、気立てといい料理の腕といい、他の追随を許さないわ!」
モーナ:
「ま、まあ、どうしましょう…その…う、嬉しいです、ドロシー様…!」
ヘンリック:
「!……」
クロウ:
「わア、出てくるなり、ヘンリックが真っ黒だヨ!」
レオン:
「ふむ、少し泡もふいておるな? しっかりするのだ、カニ!」
オズ:
「…だから、きみはお客様から『男らしい』って言われちゃうんだよ…」
ドロシー:
「別に女の子のほうが好きってわけじゃないわよ? でもこの国、あんまりそういうのにこだわらないみたいだし、だったらそれもありなのかなーって…」
オズ:
「この国に馴染みすぎだ。…別に女の子のほうが好きってわけじゃないんなら男で考えてくれ。男(オス)のほうが多いんだから」
ドロシー:
「男では、かあ……ん~……男なら――」
「マーカス!」
オズ:
「お、意外なところに! なんで?」
ドロシー:
「その道のプロって好きなの。自分にできないことができるひとってかっこよくない? それに、現金収入があって部下に慕われてるなんて夫として最高だと思う」
オズ:
「まあ、確かに――」
メグ:
「あら、じゃあうちの坊ちゃんでもよくない!? 坊ちゃんもああ見えて、すっごく優秀なエンジニアだし、現金収入だってあるわよ!」
ドロシー:
「うわ、びっくりした!」
クロウ:
「アー、メグねえさんダー」
キース:
「おいっ、ねえさん! 変なこと言うなよ!」
KP:
「ゴ用ハアレマスカ、ゴ主人サマー!」
ジャック:
「キース様、お久しぶりでございます。KPも」
キース:
「あっ、ジャックさん、ど、どうも…!」
KP:
「イラッシャリマセ、オ客様ー!」
メグ:
「ねっ、あたし、ずっと思ってたんだけど、ドロシーちゃんとぼっちゃんってお似合いだと思うのよね! 歳も近いし、種族も同じだし、おっさんのリスを愛するくらいなら思い切って坊ちゃんはどう!?」
キース:
「ねえさんッ!!」
ドロシー:
「えー…キースかー…そりゃキースだって優秀だって知ってるけど…でも、キースは基本的に私に優しくないからなあ…マーカスのほうが優しい…」
キース:
「お、俺だって願い下げだよ! 誰が、こんながさつな女――」
メグ:
「でも、ぼっちゃん! ドロシーちゃんをお嫁さんにしたら、もれなくジャックちゃんがついてくるのよ!?」
キース:
「……!?」
メグ:
「ねえ、そうよね、ジャックちゃん!」
ジャック:
「はい、私はどこまでもお嬢様についてまいります」
キース:
「…ジャックさんが…もれなく…!? …おい、ドロシーッ!!」
ドロシー:
「やだ。絶対やだ。意地でもキースとは結婚しない」
キース:
「仮面夫婦でいいんだ! 同じ家に存在していてくれるだけでいいから、俺と――!」
ドロシー:
「そんな愛も夢もないプロポーズ、受けられるか!!」
オズ:
「…うーん、気は合いそうなんだけどなあ」
メグ:
「あなたもそう思う!? …って、あら、いい男。…誰?」
オズ:
「ああ、ねえさんと会うのは、はじめてなんだっけ? ネタバレ背負ってるんで、そのへん、あんまり突っ込まないでくれな」
メグ:
「…ドロシーちゃんのお友達?」
オズ:
「ああ」
メグ:
「親しいの?」
オズ:
「え? うん、まあ」
メグ:
「てことは…もし、ドロシーちゃんが坊ちゃんと結婚したら…おうちへ遊びにくる?」
オズ:
「え…う、うん、そうだな。たぶん、ちょくちょく様子は見にいくと思うけど」
メグ:
「ぼ…牧場に恋のチャンス到来ッ!」
「坊ちゃん!! 多少汚いことしてもいいからドロシーちゃんを落として!! 皆で幸せになりましょーー!」
オズ:
「…………」
雪だるま:
「…だめ…だめだよっ…ダーリンは僕の運命の人なのにっ…し、仕方ない、ほかの誰かにとられるくらいなら、み、皆殺しの上、心中をっ…!」
ライズ:
「うおー、コラムっスよ! チーフ、先輩っ! コラムっス!! 選ばれた人しか出られないという、あの!! マジ貴重体験ーっ!」
マーカス:
「おう、大王様。なんかコラムに俺の名前が出てるからってライズに引っ張ってこられたんだが…何の用だ? ジャックに不具合でもあったか?」
ショーン:
「あっ、クモ型ロボットがいる! ちょっと見せてー」
KP:
「優シク扱エ、オ客サマー!」
ショーン:
「大丈夫、大丈夫。はは、かわいいなあ」
ヘンリック:
「やっぱり…やっぱり、モーナは僕のことよりドロシー様のことがっ…!」
モーナ:
「ち、違うのよ、ヘンリック! 私はもちろんあなたのことが…!」
オズ:
「…キャラが多いとカオスだなあ」
第11回へ続く…。