オズの国の歩き方コラム タイトル画像

注意:このコーナーは『オズの国の歩き方・本編』とはあんまり関係ありません。

第3回:にじみ出るホラー成分
ドロシー:
「さて、決意表明も終わったことだし…気を取り直して、思い出話に入ろうか。今回の<オズの国の歩き方>はナイトメア・プロジェクトとしては、はじめてづくしだったよね」

クロウ:
「はじめての、すまとーふぉん、だもんネー!」

ジャック:
「スマートフォンです、クロウ」

ドロシー:
「三人称もはじめてだし…それになんと言っても、初の非ホラーってとこは忘れちゃだめよね! …ねえ、これってどうだったのかなあ?」

レオン:
「どうだったのかなあ、って何がだ?」

ドロシー:
「うーん…ちょっと健康的なテイストに仕上がっちゃって、ナイトメアを古くから知ってくれているお客さんには物足りなかったんじゃないかと心配してるんだけど…」

ジャック:
「お嬢様、その件について、サポートよりお客様のご意見が回ってまいりました」

ドロシー:
「おっ、どれどれ」

お客様:
『ていうか、やっぱりホラーだったじゃないですかー!!!!!』

ドロシー:
「…………」

クロウ:
「…………」

ジャック:
「…………」

レオン:
「…………」

ドロシー:
「…そんなことないわよね? かなりのんきでハッピーな感じに仕上がってるわよね?」

クロウ:
「そだネー」

ドロシー:
「あまりにも健全すぎるんじゃないかしらって、数少ないホラーポイントでは、ちょっと力を入れて表現をえぐめにしたくらいだし…」

ジャック:
「お嬢様、おそらく、それが原因かと」

ドロシー:
「でも、怖めのシーンってだいたいが白昼夢みたいな設定で、実際に、ぐちゃりとかぶしゃあとか、そういうことは起きてないのよ?」

レオン:
「うむ、そうだな。本編では、余のこのツメでドロシーのはらわたを裂き、内臓を引きずり出すという夢は叶えられなかったしな!」

ドロシー:
「ジャック、殺っちゃって」

ジャック:
「はい、お嬢様」

レオン:
「ゆ、夢だと言っただろう! 夢見ているだけなのだ! 本当に殺したりはしな――ビーッはよすのだ、ジャック!!」

ドロシー:
「でもまあ、仕方ないわよねえ…いくらホラー専門サイトじゃなくなったって言ったって“ナイトメア”・プロジェクトなんだものねえ…ホラー色はどうしても染み出てきちゃうのよねえ…」

クロウ:
「じゃア、これからも、ぐちゃりとかぶしゃあとか、していくってコト?」

ドロシー:
「たぶんね。そこはお客様に受け入れてもらうしかないわ。健全な勧善懲悪とか、健全なラブストーリーとか、とにかく健全一色のものなんてナイトメア・プロジェクトに望んじゃだめよ」

クロウ:
「そっカー! …ジャア、ドロシーの頭、割ってイイ?」

ドロシー:
「…何が“じゃあ”なのよ。いいわけないでしょうが! 何よ、その包丁は!」

クロウ:
「ダイジョブ、ダイジョブ、僕、ドロシーの脳ミソ、盗ったりしないヨ? タダ、ドロシーの脳ミソに手を突っ込んだらどんな感じするのか知りたいだけなノ」

ドロシー:
「興味本位でひとの脳みそに手を突っ込むんじゃありません!」

クロウ:
「お返しにドロシーも僕の頭に手を突っ込んでいいヨ?」

ドロシー:
「そんなお返しほしくない! って…こ、こら、手をつかむな!」

クロウ:
「ホラ…ダイジョブだヨー、冷たくってぬるぬるして、きっとキモチイイヨ~……ホラホラ~…」

ドロシー:
「ぐぐぐ……い、いやだ、そんなところに手を突っ込むのはいやだ…! ていうか、ワラがぬるぬるしてる時点で何かが間違ってる…! …あーん、もうっ、ジャック、こっちもなんとかしてえっ! 」

ジャック:
「承りました、お嬢様。こちらを片付けしだい、まいります」

レオン:
「こ、こら、ジャック! “片付け”るってなんなのだ! “片付け”るって!?」

ジャック:
「レオン、動かないでください。照準がずれます。…縦割りと横割り、どちらを希望しますか?」

レオン:
「!?」

オズ:
「…コラムでさえ、脳みそがどうとか言ってる時点で、ホラー色を消すのは無理だろうなあ」

ドロシー:
「えっ、オズ!?」

オズ:
「――と、いうわけで、次回に続く!」